歴史

歴史愛好家の安田昌夫さんに歴史の魅力を聞いてみた!

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突然ですが皆さん、歴史はお好きでしょうか?

私は学生時代に日本史・世界史など、各時代の様々な出来事を語呂合わせで必死に覚えていた記憶があります。

しかしながら、学校の授業で歴史を学ぶ場合、覚えることもとても多くてなかなか好きになれないという人も多いかもしれませんね。

そこで今回は、歴史愛好家でもある安田昌夫さんに、歴史の魅力をお聞きしてきました!

歴史の楽しみ方や、好きになるにはどうしたらいいのか気になる方はぜひご覧ください。

歴史ってこんなに面白いものです!

歴史を学ぶって一見難しいように思えますが、「実はとても楽しいことなんです」と、歴史愛好家の安田昌夫さんは話します。

好きになる方法として一番の近道と言えるのが、「旅行」です。旅行では、有名な観光地や人気スポットを訪れると思いますが、どこに行こうとそこには必ず歴史があるので、自然と歴史に触れていることになります。

ここで、京都にある清水寺を例に挙げて考えてみましょう。

修学旅行などでもよく行きますし、実際に行ったことはなくてもその名前や外観を知っている人がほとんどだと思います。

ではその清水寺は、いつの時代にだれが何のために建てて、そこでどのような出来事があったのか、ご存知でしょうか?

もちろん、実際に訪れてからパンフレットなどで知ることも楽しみの1つではありますが、しかし、あらかじめその歴史を少しでも頭に入れておけば、

「ああ、ここであの出来事があったのか!」
「あの時代にこんなに立派な建物を建てる技術があったのか!」

など、様々な角度からより一層楽しむことができるのです。

ちなみに、清水寺を訪れる前に頭に入れておきたいことに以下のようなことがあります。

清水寺の注目ポイント
清水寺は今から約1200年前の778年に建てられた
清水寺は過去に10度も大火災に見舞われている
清水寺の裏手にある音羽の瀧から流れ出る清らかな水が名前の由来
「清水の舞台から飛び降りる」ということわざは、清水寺のこと

このように、前もって知識を入れておくことで、「清水寺だけではなく音羽の瀧も行ってみよう」「清水の舞台って、高さ何メートルだろう?」など、また違った楽しみ方ができるでしょう。

歴史において、西暦何年にどんな戦いがあったのか、どんな事件がありどんな世の中だったのか、など基本的な歴史の流れを学ぶことはもちろん大切です。

しかし、旅行で訪れた場所のことを知るだけでも歴史を学ぶことに変わりはなく、好きになるための第一歩となります。

それこそが歴史の面白さだと、安田昌夫さんは話してくれました。

歴史愛好家、安田昌夫さんが選ぶ好きな歴史上の人物

歴史が好きな人にどうしても質問したくなってしまうのが、好きな歴史上の人物です。歴史愛好家の安田昌夫さんにももちろん聞いてきました。

伊能忠敬

安田昌夫さんが迷いなく名前を挙げたのは、伊能忠敬でした。

学校でも習う、日本地図を歩いて作ったことで有名な人物ですね。伊能忠敬の凄いところは、最初から地図を作る人ではなかったという点。

忠敬は17歳の時、千葉県の佐原で最も力のある商人であった、伊能家に婿養子として迎えられます。

その後、商売をしていたときに暦学に興味を持ち、夜な夜な天体観測していたそうな。

息子に商売を託してからは、当時まだ不正確だった暦を正確なものにするため、日本全土を歩き測量する旅に出ました。この時既に55歳。

全国行脚を続け完成した地図があまりにも精巧だったため、71歳まで測量を繰り返し行い本格的に地図を作ることになるのです。

この時代に正確な日本地図を作れるなんて信じられないですよね。

ただ悲しいことに、本人は日本地図の完成を見ることなく亡くなってしまったとのこと。

「せめて完成した地図を見てほしかったです」と、伊能忠敬に思いを馳せる安田さん。その姿を見て、この方は本当に歴史が好きなのだと感じさせられました。

安田昌夫さんは今でも、佐原にある伊能忠敬記念館と旧宅によく訪れているそうです。

聖徳太子

画像引用元:https://www.sankei.com/smp/west/topics/west-37099-t1.html

歴史上の人物と言われて聖徳太子を思い浮かべる人も多いはず。THE・歴史上の人物と言っても過言ではない人物ですよね。

ただ、実はこの聖徳太子、とても謎が多い人物なんだそうです。「そこが魅力なんです」と安田さんは話します。

そもそも、最近の教科書には聖徳太子が昔のように大々的に載せられていないってご存知でしたか?

そればかりか、実は存在していなかったという話もあるくらいなんだそう。

ちなみに、最近の教科書では「厩戸王(聖徳太子)」と表記されていることが多いとのこと。

何故このようになっているのかというと、厩戸王の死後に彼の功績を称えるために聖徳太子という名前が贈られたからなのです。

以前はこの時代の様々な政策を聖徳太子が一人で行ったとされていましたが、のちにそれは否定されています。

「歴史上の人物ってどこか超人のようなイメージがありますが、ただ生きていた時代が違うだけで私たちとなんら変わらない、普通の人間なのです」と安田さんは話します。

私も聖徳太子は10人の話を聞き分けたと習った記憶がありますが、実はそれも一気に10人が話しかけたのではなく、10人の話を1人ずつ聞き、それぞれに的確な回答をしたというのが通説となりつつあります。(諸説あり)

上記のように、有識者によって説が変わるところ・事実とされていたことが根底から覆ることなども含め、歴史の面白さと言えるでしょう。

楊貴妃


画像引用元:https://nisonin.com/yokihi

楊貴妃といえば、クレオパトラ、小野小町にならぶ世界三大美女のひとり。安田さんは遺された楊貴妃の肖像画を見て、その美しさに感動したのがきっかけで好きになったと話してくれました。

楊貴妃は唐の第9代皇帝である玄宗の愛妃です。といっても、もともとは玄宗皇帝の息子のお嫁さんなんだそうです。

何だか現代の昼ドラみたいに泥沼な展開ですよね。歴史といっても登場するのは人間ですので、いつの時代も似たような展開が巻き起こります。

そう考えてみると、少し歴史を身近に感じられるのではないでしょうか?

話を戻して、玄宗皇帝の政治により国は安定していました。が、楊貴妃が玄宗皇帝の寵愛を受けたことで楊貴妃の身内が政治を行うことになり、状況は一変。

権力を得た楊の一族が傍若無人な振る舞いをしたことで、国は衰退。結果、安史の乱という暴動が起き、楊貴妃は命を落とすことになります。

現在でも楊貴妃を題材とした演劇や文学作品は数多くありますが、それだけ愛されている歴史上の人物だということでしょう。

歴史愛好家、安田昌夫さんおすすめの歴史スポット

ここからは、安田昌夫さんが皆さんにもぜひ一度は訪れてほしい、おすすめ歴史スポットをご紹介していきたいと思います!

安田昌夫さんがおすすめする歴史スポットは日本全国、また世界各地にも数多くあるそうなのですが、ここでは安田昌夫さんが好きな歴史上の人物、楊貴妃にまつわる歴史スポットをご紹介します。

歴代の中国の王がこぞって宮殿を建てたとされる、華清池


画像引用元:https://4travel.jp/travelogue/11582769

こちらは楊貴妃と玄宗皇帝が逢瀬に使っていたと言われている場所。簡単に言ってしまえば温泉地です。

中国の西安駅からバスに乗って1時間ほどで行けます。

入場料は約1,000円とちょっとお高めですが、中には楊貴妃や玄宗皇帝が入っていたとされるお風呂、皇帝の面倒を見る人たちのお風呂、そして広々としたきれいな池があります。

中国の方々からも人気が高いのか、いつ訪問してもとても混雑しているそうです。

しかし、「あの楊貴妃が浸かっていたお風呂が自分の目の前にあると思うと、何だか不思議な気持ちになりとてもロマンを感じます」と、安田氏。

もちろん、観光地としても素晴らしいので楊貴妃とは関係なく、一度訪れてみてはいかがでしょうか?

楊貴妃伝説が色濃く残る二尊院


画像引用元:https://japanmystery.com/yamaguti/youkihi.html

続いてご紹介するのは二尊院。こちらは中国ではなく日本の山口県長門市にあるお寺です。

楊貴妃と日本のお寺がどう関係しているのか?疑問に思う方もいるかもしれませんね。

先程、楊貴妃の一族は最後、政治をダメにしたために亡き者にされたとご紹介しましたが、実は楊貴妃は生き延びていて、船に乗って日本へ逃れた、という伝説が残っているのです。

そうしてたどり着いたとされるのがこの二尊院。ここにはきちんと楊貴妃のお墓まであるんですよ。

本当に楊貴妃がこの場所に来たのかは定かでないものの、そういう伝説が残っているということだけでも歴史にロマンを感じます。

ちなみに二尊院の周りには、楊貴妃の里という中国の公園を模した広場やお土産物屋さんなどもあり、ちょっとしたテーマパークのようになっている点も魅力です。

また、こちらのお寺は安産・子宝・縁結びといったご利益があるとのことで、連日女性の観光客で賑わっています。楊貴妃が描かれた絵馬なども売られているため、気になる方はぜひ訪れてみてください。

まとめ

 

今回は歴史の面白さを知ってもらうため、歴史愛好家の安田昌夫さんにお話を伺いました。

安田さんの好きな歴史上の人物や皆さんにおすすめしたい歴史スポットをお聞きすることで、歴史に対するイメージも少しは和らいだのではないでしょうか?

歴史というのは今あるものがすべて正しいのではなく、どんどん新たな事実が発見されてアップデートされていくものなんだそうです。

極論を言ってしまえば、「誰にも事実は解らない」ということです。「遺された文献に書かれていることがすべてではなく、受け手が自由に想像してもいいのでは?」と、安田さんは語ります。

「もちろん学校で習う歴史が基本であり、想像するのは基本を学んでからになります。そこは履き違えないように」と釘を刺されていらっしゃいました。

しかし、今回、安田さんのお話を聞いて思ったのは「歴史を好きになる理由に決まりはない」ということ。

旅行が好きだから・大河ドラマを見たから・ゲームやマンガで描かれていてもっと知りたいと思ったなど、入り口は何でも良いのです。

この記事を読んだ方はぜひ、自分なりの歴史の面白さを見つけていただければ幸いです。

安田昌夫プロフィール

神奈川県横浜市在住
1977年生まれ
横浜国際大学出身
歴史愛好家としてメディアにコラムを掲載中

 

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