ある質問から生まれた議論 「専業主婦はニート」なの?

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Yahoo!知恵袋では日々様々な質問やそれに対する回答が集まるため、利用したことがあるという方も多いでしょう。
自分で質問や回答を投稿したことがなくても、ほとんどの人が閲覧はしたことがあるのではないでしょうか?
最近、女子大生の質問者がYahoo!知恵袋で投げかけた「専業主婦はニートか」という問いに対し、様々な回答の応酬によって議論が展開され、話題になりました。

今回はその話題について取り上げていきます。
専業主婦やニートそれぞれの定義どのような部分が争点となっているのかなどを分析していくので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

そもそも専業主婦の定義とは?

そもそも、「働いていない=ニート」と安直に結び付けても良いのでしょうか?
まずは、専業主婦の定義について見ていきましょう。
意外に思われますが、専業主婦とは、戦後に普及した比較的新しい概念です。
高度経済成長期は景気が良い時代だったので、収入が安定している男性と結婚した際に寿退社をする女性が急増し、「専業主婦」という言葉が広まりました。

厚生労働省では、専業主婦をどのように定義しているのでしょうか?
厚生労働省が公開している『厚生労働白書』では、「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」及び「雇用者の共働き世帯」についての記載があります。
それによると、「『男性雇用者と無業の妻からなる世帯』とは、夫が非農林業雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯」となっています。

つまり、パート等の扶養内勤務をしている主婦は専業主婦とみなさず、労働収入がまったくなく、家庭で主婦業だけを行っている妻が専業主婦にあたると言えます。
また、「ニート(NEET)」とは元々イギリスで生まれた言葉で、「Not in Education,Employment or Training」のアルファベットの頭文字を取ったものです。

日本の厚生労働省では、「15歳から34歳までの、家事・通学・就業をせず、職業訓練も受けていない者」と定義されています。
また、いわゆる「引きこもり」状態の人もニートに含まれていると言われています。
つまり、単純な定義から見れば、専業主婦は家事を専業としているため、ニートでないことがわかります。

女子大生は何を疑問に感じて質問したのか?

定義から客観的に判断すると専業主婦はニートにあたらないことがわかりましたが、質問をした女子大生は、どのような点を疑問に感じて「専業主婦はニートなのか」という問いを投げかけたのでしょうか?
知恵袋に投稿された質問から、女子大生自身が疑問に思っている点や知りたいこと、現状の考えなどについて要約していきましょう。

まず質問者は、自身の母親や祖母も正社員として働いており、「専業主婦は働かないくせに年金をもらう」などと言うのを聞いて育ったと書いています。
また、質問者本人も「専業主婦が年金を払っていないくせにもらうのはどうか」と思っているようですが、小中学校時代までは専業主婦は楽だからなりたいと思っていた、とも同時に語っています。
しかし、大学生になり専業主婦の意義について疑問を感じているということなので、専業主婦の意義を知りたくて知恵袋に投稿したと考えられます。

具体的には「独身で社会人の男性は1人で生活している人も多いのに、旦那のサポートをするというのは正当な理由になるのか」、「子育てに関しては、旦那が忙しいから妻に任せたいというのは父親として無責任なのではないか」、「働いていないのに年金を受け取るのはどうなのか」といったことに関して疑問を抱いているとのことです。

様々な価値観や立場からの回答が集まった

この女子大生が投稿した質問には、なんと40件以上もの回答が集まっています。
前述した内容の疑問や「そもそも専業主婦はニートなのか、意義があるのか」という問いかけに対し、Yahoo!知恵袋ではどのような回答が集まったのでしょうか?
それぞれの意見を大まかに分類してまとめてみました。

多くが「専業主婦には意義がある」という意見

まずは、専業主婦は意義があるという意見の回答を見ていきましょう。

「どんなカテゴリの人間でも意識が高いかどうかの違いなので、意味のないものはないと思います。専業主婦でも朝から晩まで動き回ってボランティアや婦人会、政治活動までしてる方もいます。」

この方は、専業主婦で働いていないから意義がある・ないと言えるのではなく、どんな立場や職業であっても同じという考えです。
つまり、専業主婦でも活動次第で十分に意義があるということです。

また他には、「個人的には専業主婦より、兼業主婦のほうが遥かに楽でした。」と実際にどちらの立場も経験した人からのコメントもありました。
専業主婦だから毎日ゴロゴロと楽をして過ごせると一概には言えない、という意見でしょう。

この他にも、「私も子どもが出来るまでは専業主婦は嫌いでした。結婚して子どもが産まれたら専業主婦の忙しさや苦労が分かりました。」という男性会社員からの回答も見られます。
専業主婦の意義を無しとする少数派の意見では、「社会的にはないと思います。勤労、納税、教育が三大義務なので。」といったものもありました。

様々な回答から、多くの人が専業主婦という役割は必要で意義があると考えていることがわかりました。

「それぞれの家庭で納得していればいい」という意見も目立った

また、意義の有無はそれぞれの家庭で納得しているからどうかが重要といった意見はほとんどの人が回答の中で述べていました。
「夫婦の形態に意義があるかないかは夫婦で決めることで、他人がどうこう口出しするのは大変失礼です。」といった回答や、「あなたが他人の生き方に意義があるかどうかジャッジしたいの?身の程知らずとしか思えません どう生きようが大人は自由です」といったように、質問内容自体がナンセンスだという回答も目を引きます。

確かに、夫婦関係における役割分担や在り方はそれぞれの問題であり、十人十色です。
各家庭内、夫婦内で合意が得られており双方が納得していれば、他者が口を出すべき問題ではないというのはもっともでしょう。
中には、専業主婦を客観的に見た意義の有無について回答しつつも、意義などそもそも必要ないと語る人も多くいました。

また、「世の中には体力的に働けない人がいます。」「どちらを選択するのも自由です。もっともっとたくさん勉強して偏りのない広い頭を持ちましょう。」と若い質問者の視野の狭さを指摘する声もありました。
専業主婦であろうがニートであろうが、著名人や高額納税者であったとしても他人の存在意義について考えるのはある意味哲学的な問いであり、答えを出すのは徒労ともいえるでしょう。

これらの回答から、それぞれの家庭や人によって様々な価値観があり、夫婦間でビジョンや意見が一致していることが何より重要であり、専業主婦そのものに対しての意義について考える意味はあまりないと考えている人が多いことがわかります。
また、納税に関しても、そもそも年金の仕組みは国が提示しているものであり、働かなくても受け取れるのは専業主婦の責任ではないという意見や、年金制度の崩壊が懸念されている現在では将来の年金はそもそも期待できないといった意見が見られました。

 

 

 

 

 

19歳の女子大生が投げかけた「専業主婦はニートか」という疑問に対し、様々な回答や意見が寄せられています。
今回の議論から改めて考えさせられるのは、社会構造や人の立場、職業などに関することは一概に意義の有無や「ズルい・ズルくない」などのくくりでは語れないということでしょう。

学生であればまだ社会経験をしておらず、周りに専業主婦や兼業主婦のモデルは家族ぐらいしかいないので、どうしても偏った考えや見方になってしまいます。
実際にこの質問者も母親や祖母から専業主婦のマイナスイメージを刷り込まれていたことによる偏見も少なからずあったでしょう。

このように様々な立場で経験を積み重ねている人たちに質問することで、自身の見識を広げていくのが重要なのではないでしょうか?

Yahoo!!知恵袋の回答元
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14226202814?__ysp=5bCC5qWt5Li75amm44Gv44OL44O844OI44GL

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