三木谷浩史はなぜ撤退が相次いだ「EC事業」にあえて参入したのか?なぜ成功したのか?
今回は三木谷浩史さんについて調べてみました。
三木谷浩史さんは、言わずとしれた方ですが、楽天株式会社の創業者で代表取締役社長を務めている人物です。楽天は、今や日本最大規模のネットショッピングモールとなっています。かくいう筆者も楽天会員で、楽天市場で頻繁に買い物をしています。積極的にメディアに出ている方なので、「日本中の会社員で知らない方はいない」といっても過言ではないでしょう。
彼の経歴・成功の秘訣・思想などについて調べました。
なぜ失敗が相次いだ「EC事業」に参入したのか?
それでは最初に、三木谷浩史さんの経歴を簡単に記載します。
三木谷浩史さんは、兵庫県神戸市に生まれ、一橋大学を卒業しています。大学時代に金融学に興味を持ち、卒業論文は「企業の資金調達と資本の最適構成」というテーマだったそうです。その後、一橋大学を卒業し、日本興業銀行に入行。銀行に勤務している間に、社費でアメリカのハーバード大学に留学し、経営学修士を取得。一流大学に入り、一流企業に就職し、ハーバード大学に留学・・・。三木谷浩史さんは、楽天創業前から既に凡人とはかけ離れた華々しい経歴を持っていたのですね。
その後、日本興業銀行を退職し、起業することを決心しました。どんな新規事業を立ち上げるべきか――、について徹底的に考え抜きました。その結果、「EC事業」への参入を決心するのです。当時、「EC事業」は、大企業が参入しては失敗し、撤退が相次いでいる状況でした。
三木谷浩史さんは著書『問題児~三木谷浩史の育ち方~』にて、なぜ失敗が相次いだ「EC事業」にチャレンジしたのかについて、以下のように述べています。「情報や企画がどんどん刷新され、昔の商店街のように“人のにおいがするショップ”を作れば必ず成功する!」と判断したそうです。
その後、楽天株式会社がEC事業に大成功したことはいうまでもないですね。三木谷浩史さんは、楽天創業当初は、月額わずか5万円の楽天出店契約獲得のためにも営業に奔走したそうです。メディアに出ているせいか華やかな成功を収めている方というイメージが強いですが、成功の影では、汗水たらして地道な努力をされていたのですね。
現在では、楽天市場のほか、携帯電話事業への参入や、米Walmartとの提携を発表するなど、新たな経営戦略を描いています。三木谷浩史さんの「時代の先を読む力」と「一度決心したことは貫く姿勢」と「地道な努力をコツコツ続けた結果」が成功の秘訣だと思います。
楽天株式会社のプラットフォーム戦略とは?
楽天株式会社に限らず、アマゾンやFACEBOOKやアップルなどの世界の名だたる起業が「プラットフォーム戦略」というビジネススタイルで成功を収めています。億万長者の経営者になるには、プラットフォーム型のビジネスを始めるのが鉄則です。
「プラットフォーム戦略」とは、どのようなビジネスを指すのでしょうか?
プラットフォーム戦略とは、関係する企業やグループを同一の場所(プラットフォーム)に乗せることで新しい事業のエコシステムを構築する経営戦略であり、昨今、勝ち組と呼ばれる企業が選択している経営戦略として注目されています。
この説明だけではわかりにくいと思いますので、楽天市場を例に記載していきましょう。
楽天市場は電子空間にある大型スーパーです。楽天市場には、買い物客であるネットユーザーが集います。そして、お店である出店者が集います。楽天株式会社は、「『楽天市場』という場所」を提供しているのです。ユーザーと出店者が集まれば集まるほど、楽天市場は賑わいが増していきます。
出店者が増えれば増えるほど、買い物客の利便性が高まっていくのです。ユーザーは、楽天IDとパスワードを持つことで、自由に好きなお店をみて買い物ができるわけです。楽天株式会社は、店舗の出店料とインセンティブで稼いでいるのです。
これが、プラットフォーム戦略です。要するに、「インターネット空間に商店街のような場所を作る」という戦略です。
さらに、楽天株式会社では「楽天大学」という講義を行い、出店者のサポートをしています。楽天市場の出店者が初心者でも簡単にお店を開けるようにサポートを行っているのです。プラットフォームの賢い利用方法を教えることで、出店者の離脱を防いでいます。
そして、出店者に対して、禁止事項を設けています。楽天市場というプラットフォームを利用する条件として、自社サイトへのリンクは禁止です。自社で買い物をされてしまうと、楽天側に何の旨味もないからです。また、出店者が楽天を辞めてしまうと、お店ごと掲載されなくなります。
このようなよく考えられた方法で、プラットフォームを維持しているのです。楽天市場に出店する最大のメリットは「集客力」です。日本有数のECサイトであるがゆえ、その集客力はずば抜けています。楽天に店舗の出店料を支払ってでも、お店単独で商売を続けるよりも利益が出せる、そう考える出店者が多いので楽天株式会社は安定的な経営ができているのです。
三木谷浩史さんの名言「こうしたほうがいい」でなく、「こういうことができる」
三木谷浩史さんは、31歳で楽天株式会社を創業。わずか3年後の34歳で会社を上場まで導きました。楽天株式会社の成功の秘訣は前述の通りです。
では、このような実力を持つ三木谷浩史さんは、仕事に対して一体どのような考えを持っているのでしょうか?彼の名言を基に、どのような思想の持ち主なのか考えてみました。
「こうしたほうがいい」でなく、「こういうことができる」と実例をもってこそ世の中を動かせる
大事なのは現実を直視すること。つまずいたら出直せばいい。
この言葉、とても心に響きました。とても好きな言葉です。私は理想を語る人は好きですが、理想だけを語る人は幼稚にみえてしまい、ときに胡散臭いとすら感じてしまいます。「理想だけ」=「信用できない」と思ってしまうのです。
理想を語るのは誰でもできます。大切なのは「現実を直視すること」だと私は思います。冷たい言い方かもしれませんが、現実をしっかりと見据えた上で理想を語らないと、何も生まれないと思います。
僕はまず『そもそも論』を考えるべきだと思う。どんな仕事のときでも、「そもそもこの仕事はなんのためにするのか」を考えろということだ。いつもそう考える癖をつけておけば、それが仕事のアイデアに繋がっていく。改善のための仮設も自然にわいてくるはずだ。
職場には、なぜ自分がその仕事をしているのかわからないという人が意外にも多くいます。「何のためにやっているの?」と聞くと「わかりません。上司から言われたので。」と疑問を持たずにやっている人がいて驚きます。もちろん上司から言われたので断れないという事情は理解できます。しかし、何のためにやっているのかは考える癖をつけた方がいいでしょう。
『そもそも何のためにやっているのか』を理解していれば、「それならもっといいやり方があるだろう」とか「ここまでやる必要ないんじゃないか」とか「逆にもっと徹底的にこんなことまでやった方がいいんじゃないか」とか、自然と考えられるわけで、そうすると仕事の改善につながるのです。
『そもそも論』を考えないならば、何も考えずに仕事していると言われても仕方ないでしょう。そんな人ばかりが集まる会社だと、状況が好転することはないわけですから、自然と売上は落ちていってしまうと思います。
色々な名言を見ていると、三木谷浩史さんは本当に仕事が大好きなのだと感じます。「好きな仕事をして成功し、富と名声を得る」というのはこの上ない幸福です。仕事で成功したい方や少しでも有意義な人生を歩みたい方は、三木谷浩史さんの著書を読んでみるとよいと思います。人生を明るく前向きに生きるためのヒントが沢山書いてあります。
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